2014年07月28日

「男だけの育児」ジェシ・グリーン


男だけの育児

>>ゲイである著者、ジェシが出会ったアンディはゲイだが赤ちゃん持ちだった・・・!男二人の育児がはじまる・・・。

と、いう内容なのだ、一言でいうと。
ジェシが出会った時すでにアンディは男の子を養子にもらって育てており、そうと知りながら恋に落ちてしまったジェシは当然育児に巻き込まれ、それまで考えたことも無かった「親になるための思いがけない旅」(この本の原題)をすることになる。
しかし、どこぞの映画のようにどたばたコメディ調ではなくて、親になるということについて、とりわけゲイであり親であるということについて、あるいはそれらを取り巻く社会環境について、自分自身や周囲を注意深く観察しながら考察し論じている本である。面白おかしく育児失敗談なんかを期待して読まないように(笑)
もちろん右往左往する様子も書かれてるし感動するところもあるしセクシーな記述もあるのだが、あくまで客観的に書いてあるので山あり谷あり小説のような面白さは無い。
ついでに、翻訳だからなのか、この人の文章が元々そうなのか、回りくどい比喩表現が多くて非常に読みにくい。何がいいたいのかストレートにわかりづらい。ジェシもアンディもユダヤ人であってユダヤの文化を背景に持っているのも分かりづらい原因の一つかもしれない。文章になれない最初のうちは読むのに苦労した。

読んでみると子どもを前にした悩みや大変さというのは、ゲイカップルだろうが異性カップルだろうがあんまり変わらないように思えた。
しかし異性カップルだと、何となく子どもを産んで、それで周囲からも「親」と認められて、自分が親であることを疑いもせずに育児をしていく人も多い。
その点、彼らは徹底的に考えるのだ。(著者の性格もあるかもしれないが。なんか理屈っぽそうな人だ笑)
まず養子をもらうかどうか、そこから問題なのだ。自分は何者で、どう生きるのか、過去と向き合い未来を考え覚悟を決めて親となる。ジェシはジェシで、自分の立場は何だろうか、アンディはダディだが子どもは自分のことをなんと呼ぶだろうか、と思い悩む。
90年代の話で、まだ同性婚も認められず、親たちの動揺も大きい。ゲイの人たちでさえ子どもを持ったゲイに反感を抱いているような記述さえ見られる。深く考えなければやっていけないのだ。
第1章では出会いからなんとかジェシが子どもから「ジェシ」と呼んでもらうまで。第2章はアンディの生い立ち。第3章はジェシの生い立ち。第4章は二人目の養子をもらうまで。
読み進めるうちに著者の文体にも慣れておのおのの輪郭もはっきりし、意外に楽しい読後感が残った。


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posted by inoha at 23:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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