2013年10月21日

amentia様

オリジナルBLweb小説のサイト様。
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以前もご紹介したサイト様ですが(以前の記事はこちら→「amentia様」、今回のおすすめ小説は「アンビバレンツ」。
(電子書籍サイトwookで開きます。携帯(スマホ)からだとアプリで開きます。私の場合はiPhoneのiBookで。)

>>無実の罪で逮捕されすべてを失った幾原。7年後、そのときの女子高生と刑事の紺野に復讐をするべく、幾原は偽名を使って、現在は探偵事務所を開いている紺野へ近づく・・・・

職も人間関係もすべて失ってもはや死ぬ気でいるぼろぼろの幾原。最後に復讐をという一心だけが彼を支えているようです。そんな幾原が近づいた紺野は、なんだか生気のないマネキンのようなつかみ所のない男。
これからいったいどう話が転ぶのか知らん、とサスペンス劇場のようにドキドキします。
随所に謎解きも含んだシリアスでダイナミックなストーリー。そして、孤独をいやというほど知った二人が出会い、いつの間にか心が溶けていく愛のストーリーです。

何を考えているのかわからない紺野のキャラが独特で、前半は感情が動かない、謎な男です。が、だんだんと内面がわかってくるにつれ、セリフや行動も色がついたように可愛さがにじみ出てくるようです。ラスト、幾原の顔を触って確かめるところが・・・・泣きます・・・・せつなかった・・・・もうやだ〜(悲しい顔)

脇キャラというか、幾原が紺野を監視するためだけにはじめたバイトの居酒屋の雰囲気がすごくおもしろい。なんだかいってみたくなるような元気な居酒屋。リーダー格のリサもいい味です。凝り固まった幾原の心を溶かすのに一役買っている気がします。
ていうか、ひどい目にあってしまって荒んじゃってるけど幾原って根が悪そうに思えないっていうか。復讐の鬼になりきれなさそーっていうか(笑)心の奥底ではあたたかい愛を求めていたんじゃないんですかね?それは紺野のほうも同じでいつかまたハンサムなシェパードに出会いたいと(笑)心の奥で思っていたんじゃないかなあ・・・と深読みをしてしまったのでしたハートたち(複数ハート)

第5回花丸WEB新人賞優秀賞受賞作品。
R18です。ご了承の上閲覧願います。


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【web小説>せつないの最新記事】
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2013年10月05日

木原音瀬「Don't Worry Mama」


Don’t Worry Mama (新装版) (ビーボーイノベルズ)

木原音瀬さんといえば、せつなく美しいBL小説の第一人者として、雑誌「ダ・ヴィンチ」でBL界の芥川賞を受賞されたほど。
たいてい、読んでいると胃が痛くなるような設定が多いので健康なときしか読めないという難点が・・・私だけですね(笑)

ところがその木原音瀬さんの異色中の異色作が、これ。
ていうか、数あるBL小説の中でも異色中の異色作です。問題作と言っていいかも。

>>製薬会社勤務の祐一は上司の今蔵とともに無人島へと出張する。今蔵は背が低くデブ、性格も悪いみんなからの嫌われ者。が、なぜか迎えの船が来ず、祐一は今蔵と島で二人きりに・・・・

祐一は面倒見のいい委員長気質のイケメンで、ただしショタ好き、美少年好きのゲイ。
で、これが攻めなのはわかるとして・・・・・受けらしき人物がいつまでたっても登場しないんですよね・・・・。
唯一登場しているのは、上司の今蔵。
身長160センチ、体重130キロ、三重あごの肥満体、祐一より5才上の30才、仕事はできない、性格は悪い、おまけにマザコンで、「短小」という噂まであるどんっ(衝撃)
何よりジコチュウなその性格の悪さに口あんぐりたらーっ(汗)
ま、まさか、この人がカプじゃないよね・・・・と思うものの他に誰も出てこないのです。だって無人島に二人きりなんだもん(笑)

ギャグなのか、マジなのか、それともこの上なく美しい物語なのか・・・・。
いや、もう、脱帽です。
木原音瀬さん、すごすぎ。

何というか、ダイナミックなお話で、目が点になるかもしれませんが文句無しに面白い。美しすぎる男が出てきてくっついて・・・というBLに少々飽き気味の方には最適です。
2005年発行の本ですが、新装版が出ています。

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2013年09月25日

オカマツ様

オリジナルBLweb漫画のサイト様です。
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派手ではないけど味のある画風で、セリフも手書きなのがいっそういい味出してます!
ストーリーもなんだか胸がうずうずするような、繊細な男の子の心の襞をゆっくりゆっくりひも解くような、そんなお話が多いです。
おすすめは「駄菓子屋中毒」です。

>>高校生のセコグチカイがいつものように近くの駄菓子屋ハナダに寄ると、店番をしていたのはいつものばあちゃんではなくヒゲメガネのお兄さんだった・・・

すごく優しそうな(実際優しい)ヒゲメガネのおにいさん、アサヒさんはじつはカメラマンで次第にカイが惹かれていく様子が丁寧に丁寧に描かれています。
アサヒさんは穏やかで優しいオトナな感じだけど、道に寝転んで写真を撮ったりしてどことなく少年の部分を残してるような・・・・おおお、ツボ過ぎるグッド(上向き矢印)
対するカイは人にも自分にも真摯に向き合うような、きりりとした部分と少年らしい繊細さを併せ持った高校生で、初めて訪れた恋の苦しさに揺れ動く様が、見ていてこっちまで胸が苦しくなってきます。告ってきた女の子に対するカイの態度とか彼の真面目さ純粋さが出ているようで、ああ、自分にもこういう時期があったような無かったような、無かったけどあったような気になってきます(笑)
登場人物の表情がすごくいいんです。特にカイが見せる微妙な表情が、繊細に描き分けられていて、物語の味わいを深くしています。
何となくレトロ感が漂うのもいい味ですぴかぴか(新しい)ていうか、
高校生はやっぱりツメエリに自転車
ですね。いや、単なる個人的な趣味ですが(笑)主人公のカイが激似合っててうれし〜ぴかぴか(新しい)
「1」は切ないラストです。せつないお話なのに、なぜか心が洗われるような読後感がありました。
続編あり。


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2013年08月28日

「ゲイの誕生」匠雅音


ゲイの誕生: 同性愛者が歩んだ歴史

怪しげな本かと思ったら(笑)社会的、歴史的な認識のもとに、以前から存在する男色と現在のゲイの違いを論じてあり、現在の日本社会への警鐘も含む論説には目を開かれる思いだった。何となく漠然と感じていたものを言葉にしてもらった感じ。

筆者の結論はほとんど第1〜2章ですでに出てしまって、あとは項目ごとに論証を重ねていくので興味のない項目は眠くなってしまう(笑)
まず、筆者は以前からある男色、同性愛行為を「ホモ」あるいは「ホモ行為」と呼んで現在のゲイと区別をしている。これにはたとえば、日本での衆道や陰間、武士や僧侶の小姓や稚児、あるいはギリシャの少年愛など、古くからある同性愛をさしている。この、以前からある同性愛の特徴を筆者は、成人男性と未成年男性(元服以降から二十歳ぐらいまで)との間の精神的なつながりを含んだ濃密な関係であり、それは年齢差を前提とした対等ではない関係だったと論じている。簡単に言うと(BL的にいうと)、年上が必ず攻めで年下が必ず受けで、それが逆転することはなかった。オヤジ受けとか年下攻めとかは絶対にありえない、あってはいけない世界だったようです、あらあら。
これはなんでかというと、現在のように工業や科学が発達する以前の社会は年功序列制で、文化にしても技術にしても、数々のノウハウというのは年長者から年少者へと受け継がれるのが当然で、そしてそれは身体的に覚えこませる的なものだった。しかも男性中心の社会だったから、その中で男同士濃密なつながりは社会の特にこそなれ、損になることはない。ましてや戦闘が頻繁だった社会では、主のために命を投げ出す覚悟なんて愛がなければできませんわね。象徴的なのは、ある民族で行われる成人男性が少年に精液を注入する通過儀礼の例で、大人から少年へとパワーを注ぎ込むことによって少年を立派な大人へと成長させる儀式だと考えれば、年齢秩序を重んじる社会で男色が当然とされていたことも納得がいく。織田信長と犬千代の例を何度も例として出してあるが、信長がみんなの前で犬千代(前田利家)と衆道関係だったと披露するとみんなが羨ましがったというのも理解できる。
つまりこの関係は、権力が上位の者(成人男性)から下位の者への一方通行の関係だったというのだ(強姦とかいう意味じゃないですよ、流れがってことで)。だから年下攻めのようにその流れが逆流することは許されない。性的関係も強力な年齢秩序に支配されていたわけだ。成人男性が絶対的な優位であった社会では性愛も成人男性中心で、成人男性が劣位者を選び、挿入する。その劣位者とは、若年男性であり、女性であったわけで、筆者が言うには社会的に劣位者である限りどちらを相手にするかは大きな違いはなかった。だから先の信長と犬千代の例でも、彼らは若い時は挿入される側でも、大人になれば今度は挿入する側に転換する。そして普通に女性とも関係を持ち所帯を持ち子供も作る。そこに何の齟齬もない。

「女性との愛やセックスが賛美されたのではない。成人男性が能動的に行う愛やセックスそのものが賛美されていた。これが長い間の成人男性が営む愛と性の真実だった。」

ところが、産業革命や市民革命以降、徐々に社会は年齢秩序が崩壊していった。
高齢者の知恵や優位性といったものが無効になり、若者は学校で知恵を継承され、女性も徐々に地位を獲得していく。現在となっては若い発想のほうが社会を推進していく力があるくらいだ。自由と平等をうたう近代社会の中で性的な開放もたかまっていく。女性も自由になるが男性の性志向も開放され、ここに「ゲイ」が誕生する。
現代のゲイの特徴を筆者は、年齢、地位、教育程度の似通った男性同士のつながり、と定義する。そこに社会的な上下関係はなく、横並びの思想を基本としている。つまり筆者は、ゲイは既存の年齢秩序を無視し破壊する存在だ、と。ゲイが破壊してるわけじゃなくって、年齢秩序の崩壊を象徴する存在、なのかな。
そこで、近代化が進んだとはいえ、まだまだ上下関係が強かった過度期にはゲイへの弾圧が厳しかったのだ。さらに工業社会が奨励した核家族化も弾圧を推進する。日本では容認もされない代わりに厳しい弾圧もなかったが、欧米ではゲイだというだけで死刑になった。理由は宗教の戒律に反するとか自然の摂理に反するとか精神疾患だとかいろいろ言うけれども、筆者によればその背景にはこうした年齢秩序、既存社会への反逆罪というものがあったのだ。

しかし工業化社会がさらに情報化社会へと進むと、年齢秩序は崩壊し横並びの社会となる。女性も社会進出し親の決めた結婚なんてしなくなった。ゲイが社会に認知され始めた。同時に上下関係を基盤とした「ホモ行為」は逆にバッシングの対象となる。
現代のゲイと以前からある同性愛行為は別物である、というのが筆者の主張である。

さて、ここまで来て最終章で筆者は今後のゲイ、あるいは社会のありかたを問うている。
日本ではいまだ年齢秩序が価値観としてはびこり、社会の中心にいるのは老人たち(と、筆者が書いているのだ(笑))である。だから近年になってゲイのカムアウトが容易になった欧米諸国に比べ日本はカムアウトが難しいのだ、と。
そしてこれは、女性の地位向上、経済的自立が遅れていることと密接に連動している。年功序列とともに性別役割分業の価値観も一体になってはびこり、職場は女性に完全に解放されてはいない。これは日本に住む女性であれば多少の差はあれ肌身で感じていることだろう。この本によれば女性国会議員の数は世界186か国中、121位なんだそうである。
このあたり、耳が痛い話である。筆者は専業主婦を批判している。
「専業主婦の存在はホモの受け役である若年男性と同じである。(中略)専業主婦は男性から挿入され、種族保存のために子供を産まされる存在のままである。」
わざと挑発的な部分を抜き出したので不快を抱かれる方も多いかもしれないが、筆者が批判しているのは専業主婦を推奨し男性優位社会を維持しようとする日本社会の制度、あるいは風潮であって、専業主婦個人を批判しているわけではない。こういう年功序列と性別役割分担を重要視する社会では、当然婚姻制度も自由度が低い。家父長制を根底に置いた男と女の核家族を理想としている。
ここに日本社会の閉塞感があり、先進国との差がある。自由と平等の度合いの高い社会はゲイのみならず、ストレートの男女にとっても生きやすい社会なのだ、というのが筆者の主張である。

何も考えず仕事をやめて結婚し夫の姓を名乗り、長く専業主婦をした挙句扶養の範囲でパートの仕事に出る日本推奨型の自分(笑)にとっては、最後は耳の痛い話ではあった。別に私個人を批判されているわけではないんだけども。
しかし、どうしてゲイとかBLとか大好きなんだろうなあ、という問いに示唆を与えてくれた。最後はちょっと理想化しすぎかなあという感は多少あったけれど。


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posted by inoha at 19:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年08月22日

That's the way様

オリジナルBLweb小説のサイト様です。
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置いてある小説の登場人物は等身大の男たち。
そんな印象のサイト様です。
BL小説にしては心理描写が湿っぽくなくて、抑制が利いている感じがそういう印象を与えているのかなと思います。
おすすめは「青空ジム」第1話「ロシアン・ルーレット」です。

>>スポーツインストラクターの佐々木は、そのジムに通うアマチュアボクサーの倉橋を誘って釣りに行く。しかしそこで釣り上げたのは魚ではなくて・・・・

この第1話「ロシアン・ルーレット」では恋愛要素はあまりないです。
なのでBLとして期待して読むとちょっと肩すかしかも(笑)
しかし、普通の短編小説として読むとなかなか面白く、魅力があります。

ふつうの友人だった二人の間に急に飛び込んできた拳銃という非日常。この非日常は二人の心の奥をもやもやと揺り動かし、非日常を共有することで二人の関係は少し違ったものになっていく。短い話の中で拳銃がもたらすさざ波が上手く描いてあります。
拳銃は死を象徴し、倉橋が試そうとするロシアン・ルーレットや、夢のエピソードにも死がちりばめられています。
一見すると拳銃を拾っちゃった二人がアワアワするコメディですが、背後にある死の匂いがこの小説を違うものにしているようです。
死と恋愛ってなぜかすごく近しい関係にあると思うんですよね。

2話以降、この二人はさらに不思議な事件に遭遇しながら(あ、ちょっとオカルトテイストな話もあります。苦手な方は注意です)関係を深めていきますが、なかでも特にこの「ロシアン・ルーレット」が気に入ったのは、誰にでも起こりうるような非日常を描いてある点です。普通の生活の中で、でもちょっと脇見をするとじつは死の世界が転がっている、それを重すぎず上手く混ぜながら描いてあるすごく好きなタイプの小説です。

何をやらかすかわからないアマチュアボクサーの倉橋が魅力的です。美形設定ではないのですが(笑)不思議な物語の中である意味一番不思議な人物。
第1話ではあまりBL要素がないものの、事件を重ねるごとに二人の距離が縮まっていくのも楽しみです黒ハート
文章がシンプルでテンポがいいので読みやすく、比喩や心理描写に独特のセンスがあってそれがクールな印象を醸しています。


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posted by inoha at 14:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | web小説>年下攻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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